2008年11月23日(日)
第13回醍醐敏郎杯全国少年柔道錬成大会(長野県)
小・中学生団体戦

第13回醍醐杯 道場長総評
今年で3回目の参加となる。
思い起こせば、道場設立から約半年で参加した1回目を思い浮かべると、
子供達の成長過程には目を見張るものがある。
反面、今、思うと、よく参加したな・・・。とも、思える。

1回目・・・。
俺も勝手がわからず、試合に参加した。
物事、どんな事でも行ってみないとわからない事、行って見てわかる事、とにかく参加しなければ始まらない、
と、言う気持ちで参加した。
高学年は、試合時間トータルで2分半。低学年は最高3回戦、それも大差での敗退。
終わってみれば、昼過ぎには試合場を後にしていた。外は明るい日差しで一杯。駐車場に停まっている車の数も
一杯だった(笑)。
正直、圧倒されて帰って来た。この大会のレベルの高さに、指導者として驚いたのは記憶に新しい。
俺にとっても、いい勉強にもなった。
帰って、俺なりの分析をした。
参加チーム、各部門、約180チーム。内2チーム編成での参加チームは約3分の1だから、道場単位だと
約120チーム位が各地から参戦している。北は、北海道、西は兵庫、南は和歌山まで参加して来ている。
もちろん、錬成大会であるから、錬成目的として参加する事に意義があると意識して参加するチームが3分の2。
残りの3分の1、約40チーム位が優勝目指して参加するチームだと思った。
また、その40チームに関してはどのチームが優勝してもおかしくない、力を持っていると感じたのである。
先ず、感想を一言で言えば、「嬉しかった」。柔道人口が減少していると言われている昨今、こんなに多くの少年達が
切磋琢磨しているとは、夢にも思わなかった。
久々に仲間に出会えた気がした。指導者として、今後の方向性を見極める上で褌を締めなおす事も出来た。

そして、昨年の2回目。
1年間やって来た成果がどこまで成長したのかを計る上でも重要な試合だった。
高学年は、やはりキャリアの差が出て3回戦止まり。キャリアの部分は仕方がない。ただ、1回目とは違い、簡単には
負けない、言わばしぶとい柔道が出来る様になって来た。練習の成果が表れた。
ただ、そのキャリアにおいては、それ程、差のない低学年が頑張った。3位入賞。
出場2回目にして、それも全国大会と全国の大会の冠の付いた大会で、「3位入賞」が出来るとは夢にも思わなかった。
メンバーも、学年合わせが出来ず、学年落ちが殆どの中、ミラクルの様な試合内容、奇跡的に近い格好で勝ち上がった。
子供の成長は末恐ろしいモノがあると感じた一瞬でもあった。

そして、今回。
3度目の正直とでも言うか、とにかく節目にあたる3。特に低学年の「昨年の3位」はまぐれだったと、思われるのも嫌だし、
日頃から頑張ってる子供達が可哀相だから、内心は、昨年以上の成績を取って欲しいとも思っていた。
正直、今年の低学年は、優勝候補筆頭、連覇のかかる朝飛先輩(朝飛道場)の道場と、どれ程やれるかが課題だった。

先ず、高学年からだが、9月の全国選抜に出場し、今年はかなりのところまで期待したが、早々とその全国選抜で
優勝した春日柔道クラブとあたってしまい、実力の差を見せ付けられ完敗。日本一の実力は半端ではなかった。

一方、低学年は、昨年に続き2チーム出場した。
先にBチームから言うと、今回3位入賞したチームに善戦した。勝負出来たのは中堅の3年生までで、やはり、副将、
大将が学年落ち(3年生)では無理があった。ただ、いい経験は出来たし、来年に向かっては決して無駄ではないと思った。

次にAチームだが、朝飛道場と当たる準決勝までの組み合わせは恵まれてはいなかった。パッと見て、日頃から遠征先で
何度も切磋琢磨している道場がひしめき合っていた。
ただ、目標としては、「朝飛道場と、どれ程やれるかが課題」であっても、どの道場もレベルが高いから準決勝までの
道のりは厳しい・・・とも、思えた。
しかし、その心配は不要かの様に、(かなりの接戦続きだったが)昨年に比べると全く危なげない戦いぶりで勝ち上がって
行った。その勇姿を見て、随分と逞しく成長したな・・・と、感心させられた。ブロック優勝を決め、いよいよ準決勝。
早々と勝ち上がり、準決勝を待っていた朝飛道場。
やはり、自力で勝る朝飛道場に惜敗。出て来る言葉は、「壁は高かった」。
ただ、試合内容から、来年、再来年につなげられる内容でもあった。とにかく、俺自身、指導者として更に精進せねばと
思えた有意義な大会だった。

以上が大会の総評であるが、会場まで応援に掛け付けて頂き、また、早い時間から席の確保をして頂いたご父兄の皆様方
には、日頃からのご協力も含め、感謝する次第です。
今大会を泊りがけで参加することよって、得たものは非常に多いと思うし、子供達の成長過程では、きっと大きな糧となる
事と思います。今後も宜しくお願い致します。

道場長
小学生低学年 団体戦
2回戦小川道場A○5-0×大野沢少年柔道クラブ(富山)
3回戦小川道場A○5-0×東海少年柔道教室(愛知)
4回戦小川道場A○3-1×松任柔道スポーツ少年団A(石川)
5回戦小川道場A○2-2×五十嵐道場A(埼玉)
準々決勝小川道場A○2-0×古賀塾A(神奈川)
準決勝小川道場A×1-3○朝飛道場(神奈川)
1回戦小川道場B○4-1×岩出市柔道スポーツ少年団(和歌山)
2回戦小川道場B○4-0×本城柔道クラブA(長野)
3回戦小川道場B○3-1×友愛道場A(静岡)
4回戦小川道場B×1-2○羽田野道場A(愛知)

小学生高学年 団体戦
2回戦小川道場○2-1×美濃柔道A(岐阜)
3回戦小川道場×0-3○春日柔道クラブA(東京)

小学生低学年 昨年に引続き3位入賞

選手全員で
番外編・・・

今年も3位に入賞出来た。閉会式ともなると観客もだいぶ減っている。外は真っ暗!は昨年同様。
この部分は嬉しい悲鳴。
賞品だけど、昨年にはあったものなかったものがあった。
昨年は・・・、道場に1つのトロフィー(カップ)あと賞状1枚。個人にはなし。
今年は・・・、道場に賞状1枚と個人個人にメダルの授与。トロフィー(カップ)が消えた!
確か、昨年のこの大会の総評で私自身が敢えて言わせて貰ったのがこの部分で、道場より
個人個人にメダル(勲章)を渡して欲しいと、願いを込めて綴ったものだけど、願いが通じた!
願いが通じて何よりだった。
あっ! もしかして、結構、この総評、見られていたりして・・・(笑)
道場長のひとり言(今回の遠征を違う角度から傍観して・・・)

今大会の試合以外で気が付いた事は、体格の差が目立った。とにかく3年生より上の学年は、
他の道場生より見た目から線が細い。完全に体格負けが目立った。俺の柔道スタイルは、
「組んで投げて押さえ込む」が基本だから、体格差が大きければ負ける。
しかし、今後を見据えれば、体格差は解消。究極は、体重別になるのだから自分より10kg以上
重い選手とやる事は無差別級以外ないしね。
まぁー、ここで異論を唱えてもしょうがないのでこの辺にするが、やはり今回の遠征で
思った事は、一緒に食事をした時、食べっぷりを見ると、線の細い子はとにかく食が細い。
幾人かは、食べなさ過ぎが目立つ。
飽食の時代と言われればそれまでだが、とにかく食に対しては、非常にタンパクな気がした。
ここは、今後、ご父兄には再度見直して貰いたい部分でもある。
当道場で活躍出来てる選手は、皆、食が太い(笑)。活躍出来ていない子供の殆どが、食が細い。
食が細い子供を持つご父兄に関しては、どのくらい食べるのか、いや、食べさせなくては
いけないのか等、わからない事があれば遠慮なく相談に来て欲しいと思う。
ただ単に大きければいいって訳ではないが、もう少し、骨太な体型になって欲しい。
細いのは栄養不足の証拠。その証拠に俺も含め大人は殆どが栄養過多(笑)。

何故、ここまで口すっぱく唱えるのかは、柔道をやる上で、体格差から起こる怪我の
発生率は、線が細いほど、発生率が高いと思う。軽い怪我で済むか、大怪我になるかは
日頃からの食事にかかっていると思う。
とにかく、練習した分は必ずエネルギー補給をして欲しいと切に思う。
一例を挙げると、遠征先で、ある高学年の門下生を見ていると、とにかく食が細く、
食べるのが遅く、あげくに好き嫌いがあった。
それを見て、その親に、「もっと食べさせてくれ!」等、何度となく指導して来たのだが、
なかなか改善されずにいた。
案の定、その子は毎年骨折している。1回目は投げられ壁まですっ飛んで、そのすっ飛んだ
先の壁に足が当たって足の小指を骨折して全治3ヶ月。
今年に入り、出稽古中に相手が横から飛んで来て、避けきれず足首付近2ヶ所を骨折。
3ヶ月以上経過するが未だ完治せず・・・
お見舞いに行った時、本人から出た言葉は、「言われていた事に初めて気が付きました」と、
反省していた。
ただ、起こった事はしょうがないが、思う事は親はもう少し食に対して子供に厳しくシビアに
考えてあげないといけないと思った。今後、この様な事は二度と起こって欲しくない。
だから、食事の改善を切に願う、今日この頃である。
道場長のひとり言(ある親の一言から・・・)

小川道場の「強化クラス」は何故か近所には厳しいと好評?のようだ(笑)。
ある親が一言、「うちの子には『強化クラス』の厳しさは無理」と言った。
おいおい、無理と決めつけてる親もさることながら、無理と決め付ける親に限って
何かおかしくないか?と、思うのは俺だけだろうか。
確かに、強化クラスに入るのが正解だと誰もが思え、などとは、毛頭思っていない。
ただ、やらずして親が決めるのは如何なものかなと思う。
道場長のひとり言(強化クラスとは)

小川道場の強化クラスは、柔道を人格形成の鍛錬の場として考えるシステム。
各地の錬成試合に出て、錬成試合をやる事で人とのつながり、そして人生を生きて行く上での
大事な事を学ぶ事を目的としている。
強化クラスには、誰もが入れるが、先ず俺がその子を見て、その次に親と相談の上で
決めさせて貰っている。
やはり、子供が好きで勝手にやっているからとか、子供の意思でとか、子供が好きなら等言う
父兄は多いが、この部分は綺麗事に過ぎないと思う。やはり、大事なのは親の一押しであると思う。
子供だって柔道をやる上で挫折等経験するが、その時子供の悩みを一緒に乗り越え、一喜一憂を
共有しなければならない時が幾度とあると思う。
要は、子供が柔道を好きな時期はいいが、鍛錬の場で鍛錬していく上で、必ず辛い時期が幾つも来る。
その時にどうやって親が対処し、道場にいつも連れて来られる環境を作るか・・・。それが
出来るかを聞いてからにしている。
よく、褒めて褒めて褒めまくって指導とか、体罰はいけないとか、世間では教育問題になるが、
俺は体罰は否定しない。
褒める指導はありだが、褒めまくるまでは必要はないと思う。
指導者の立場として言うが、見込みがなければ体罰はありえない話だし、そこまでの感情は
ないから体罰とは無縁。
むしろ、言われているうちが華であれ!と、思う。
俺は感情ある人間だから、見込みのある子にはしっかりと伸びて欲しいからこそ愛情を持って
接しているつもりだ。
ただ、その大前提は「親との信頼関係」で成り立つものだと思う。体罰NGの親の子には
絶対にしない。体罰って結構、労力だよ。俺は厳しいと言われているが、俺が思うには
子供だって成長し、必ず大人になる。
幸いにか会社勤めした経験から言わせて貰うと、会社の上司と部下の間で、部下の成績が悪いと
ヨイショしてくれる上司って、はたして存在するのだろうか?
その部下は、成績が悪いから上司から怒られたといい、会社を欠勤するのだろうか?
それをしたら、クビだろう。
しかし、現状では会社勤めが続かない子が増えて来た。正にここの部分から来るものでは
ないのだろうか?
きっと挫折や叱咤激励を受けないで、人格形成して来た輩が増えてきたのだろう。
俺の子供の時代は、近所の親父にまで殴られていたし、学校の先生が手を挙げていた記憶がある。
こっれって、今の時代こそ必要なのでは・・・?
昔の諺に、世の中の怖い順は、「地震、雷、火事、親父」とある。「石の上にも3年」
という諺もあるが、やはり諺は理に適っていると思うし、多くの意味を含んだ深いものだと思う。
世間でも原点回帰と叫ばれている中、この日本の文化を大事にしたいからこそ、
俺は強化クラスでは先生でもあり、近所の親父でもあり続けたい。

以上を踏まえて、当道場の門下生以外でこのページをご覧頂いているご父兄の皆さまへ。
将来的に柔道を続けさせる事を考えている、または柔道で人格形成を・・・と考えているのであれば、
是非、当道場の門をたたいて欲しいと思う。